その一言は、それだけで、心臓を貫いた。
「――――――さよなら」
風が吹く。僕と彼女を断絶するように。
信じていた運命の赤い糸は、切れた。たった今。
感情の無い彼女の瞳が怖い。初めて見る無表情がとても怖い。
でも、風に流される黒髪はとても綺麗で。笑顔でなくてもその顔は美しく。だから僕は、
「待っ――」
ふいっ、と。
僕を、まるで興味のない物体を見たように振り切り、呆気なく、いとも容易く、いっそのこと軽快ですらあるように、立ち去った。
吐き出した言葉は夜闇に解け。伸ばした手の意味は消え。
そうして彼女は、行ってしまった。
ぽつり、と。一粒の雨が降ってきた。
それを肌で感じながらも、動くことができない。
ぽつり、ぽつり、と。どんどん雨脚は強くなっていく。
酷くなる前に早く行かないと。そう分かっているのに、足が、身体が、動かない。
雨は降り続ける。僕を打ち続ける。
鉄球にでも繋がれたのかと思うほど重い腕をなんとか動かして、雨で滲んでしょうがない視界をどうにかしようと目を拭った。
そして石のようになった首を持ち上げ、空を見た。
星の瞬く、澄んだ空。雲なんて、一欠けらもない。雨なんて、降るはずがない。
またすぐに滲む視界に透き通った夜空。答えは、一つ。
嗚呼、と一つ嘆息する。
天気予報じゃ向こう一週間は快晴だなんて言ってたけど、
「この雨は、しばらく止みそうにないなぁ…………」
彼女が去った先の道はぼやけて歪んでもうぐしゃぐしゃで、もう追うことなど出来るわけがなかった。
―――――――――――――――――――――
さよなら、雨、涙。
このへんの単語からインスピレーション的なものをばりばり駆使してこさえた品です。いやー、この凡庸っぷりをどうぞご覧あれ!みたいな。
まぁ、特に単語をがっちり決めて何かを書こう!と考えてたわけじゃなく、まったくの偶然でぽっとこのネタが出てきたんでじゃあ書いてみようってなったので、非凡である必要なんかも無いわけなんですが、まぁなんていうかやっぱり平凡ってやだなぁって思う今日この頃ですよいやまったく。(なんだこの文章
わざわざ「異質なもん書こう」と意識せずともそんな感じのものが書けるのが理想。
……ま、ここまで書いといてなんですが、それもどうなんだろう、とちょっと思ったのでここらで適当に締めておきますか。
平凡を知らずして非凡を生み出すこと出来ず。凡を理解し、凡から脱することで、それは初めて誕生する。みたいな? まぁ適当よ? 突っ込み禁止ね?
んじゃまーそんな適当な感じで終わりますかー。ぽじてぃぶぽじてぃぶ!(何かのマジナイっぽく
お疲れ様っしたぁまた明日っすグッバアアァアァアァアアアァァァアァァアァァアアアァァアイ!!
by kyo-orz
| 2007-09-19 04:52
| Kyoの30分創作