数十メートルを一息で駆け、修道服を踊るように翻らせ振り返るシスター。その手にはお馴染みのSR-16。だが、少しだけその姿が様変わりしている。黒一色の無骨なフォルムに、異彩を放つ――どころか異常とすらいえる、純白のマガジンが。
教会特製・異端“制圧”用特殊弾倉。
技術と知識の融合が生み出した、単身で保有可能な装備としては現代屈指の攻撃力を持つ装備。中には銀製5.56mm NATO弾(聖水漬け)が詰まっており、異端に被弾すれば肉を突き破り肉体を融かし、内部で断片化した弾はいつまでも残り毒となる。それはまさに異端を“制圧”するための兵器。
シスターは体をくの字に折った形で停止している男に狙いを定めた。見てから避けることが不可能なこの距離。それを音だけでかわすことなど可能であるわけがない。
引き金を、
――踊れ、化け物。
引いた。
闇夜を塗りつぶす閃光が瞬く。銃の咆哮はステップを刻むように規則的。吸い込まれるようにして弾丸は男の元へ向かい、男は当然のようにそれを避けることができない。
着弾。
壊れた操り人形。使い古された表現だが、それが最も適確だった。
断続的な銃声をBGMに狂ったように踊る男。足は曲がり、腕は弾け、腹には穴。衝撃に全身を振動させ、肩をカクカクと震わせ、頭はもはや力学に翻弄される人形そのもの。
頭蓋をぶち破り全身に平等に銃弾を与え、男の肉体はもはや人としての形を失う。ぐしゃり、と男が左頬から地面に突っ込んだところで、やっとシスターは射撃を止める。銃口は逸らさない。そして僅かも揺らがず機械のように凶器を構えたまま、ソレを観察する。
人間だったら当然即死。たとえ人形だとしてもそれはもう人形とは言えないほどの有り様。ならば人を超越した異端にとって、これはどういう状態になるのだろうか。
シスターの無機質な視線の先、薄く煙を上らせて、元が生き物だとは到底思えない、混沌とした物体が落ちている。
タタンッとSR-16が何発かだけ銃弾を発射する。それは真っすぐソレに当たり、また何かを弾けさせる。
タタンッ。弾ける。
表情を消していたシスターの口角が、僅かに持ちあがった。
タタンッ。弾ける。
背筋を駆け上る感覚に打ち震える。
タタンッ。弾ける。
ついには抑えきれず肩が踊りだす。
タタンッ。外した。
もはや笑みは全開。シスターは実にシスターらしい凶悪な笑顔で、
――あぁ、まだ、“足りない”ッ!!
マガジンを大容量のドラムマガジンに取り換える。銀製弾丸を装填する。狙いを定める。震える銃口はそのままに。漏れる笑いは抑えもせず。ただ本能が赴くままに。
限界まで張りつめた糸が切れるようにして、シスターの指は、引き金を引いた。
「あはははははははは! ハハハハハあハははははハハはハハハ!!」
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とまぁ最近こんなの書いてます。とまぁこんなのを『バトルこんぺ(仮)』に出品しようと頑張っていたわけなんですよ。
さくっと考え着いた割にはそこそこ楽しく書かせてもらってます。これは多分完成させることができると思うので、完成したら多分どっかに放り投げます。具体性の欠片も見当たりませんね。まぁ人間ってそんなもんです。はい。
とりあえずは出来るだけ早くコレを終わらせて、四月までにそれなりに長いのを一本あげて――ってとこですかね予定としては。
多分あと20kbくらいでこいつは完成させることが出来ると思いますー。毎日頑張って書いてますよー。一日1kbペースで。
……うん、あのね、俺ね、本っ当に書くの遅いのよ。表現の気に喰わないところがあれば何十分もぼーっと考えてるし、ちょっと分からないことがあると片っ端から調べるし。いやぁ、Wikipediaって素晴らしいですよね。
今回の話で初めて銃ってもんを出してみたんですが、こいつがまた仕組みを知ってないと動かし辛いのなんのって。ざらっと調べただけでは全然足りませんよ。その証拠に明らかに色々な描写が足りてません。えぇ、きっと足りてないはずなんです。(何故かやたらと頑なに
とまぁこんな感じで気づけば一日をミリタリーなサイト巡りで終わらせるなんてことになっているわけなのです。本末転倒って言葉、もはや体に刻みつけたほうがいいのかしら。あはは。うふふ。
ってな感じなんですよ最近。(何
しかし出来るだけ急いで完成させたい作品があるっていうこういう時期に限ってバイト先で風邪が大流行してやたらと引っ張り出される羽目になるんですよね。人生ってなんかしょっぱいです。本当は休みだった今日もしこしこバイトしてくるんですよ。こんなボクを誰か褒めて! そしてお金を包んであげればいいじゃない!
そんな、家主と飯たかり虫が横で寝ていて何もすることが出来ずブログを更新するKyoでしたとさ。
ってーなーわーけでーグッバイ!!
by kyo-orz
| 2006-11-22 14:26
| Kyoの30分創作